今月の月次祭に奏上しました祝詞の内容を公開いたします。
さて今月は、一年の最後の月。
もういくつ寝るとお正月、ですよね。
新年を待ち望む気持ちというのは、昔から変わらなかったようで、そんな気持ちを歌った和歌を三首引用させていただきました。
“新玉の年行き返り春立たば まづ我が宿に鶯は鳴け” ー 大伴家持
“鵲の渡せる橋に置く霜の 白きを見れば夜ぞふけにける” ー 大伴家持
“冬ながら空より花の散りくるは 雲のあなたは春にやあるらむ” ー 清原深養父
意図せず大伴家持の歌を選んでしまうほど、家持の歌が好きなのですが、
今回は特に三首目の“冬ながら〜”の歌に影響を受け、祝詞を作成しました。
意味としては、冬なのに空から花(雪)が降ってくるのは、雲の向こうは春なのだろうか。
情景の雄大さと、春を待ち望む気持ちがこうも美しく描けるものかと感銘を受け、それを祝詞の文として認めました。
こんな感性を持って日々生きられることができたら。
本当にそう思います。
ではいい加減寒くて辛い冬も、歌を口ずさみながら乗り越えていきましょう。
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