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弥生 月次祭祝詞


今月の月次祭に奏上しました祝詞の内容を公開いたします。


3月は別れと旅立ちの季節。

そんな季節を祝福するように咲いては散っていく桜。

遠い昔から日本人の春の心は移ろいやすく、歌にもよく詠まれていました。



“世の中にたえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし” ー 在原業平


“散ればこそいとど桜はめでたけれ浮き世になにか久しかるべき” ー 伊勢物語八十二段


桜がなかったらどれだけ春の心は穏やかなのだろう、と歌う人があれば、それを受けて、散ってこそ桜は美しい、この世の中で変化しないものなどないんだと歌を返す人たちがいました。このようにある歌を受けて、それに返すという手法は現在も尚、続けられています。


“花に嵐の例えもあるぞ さよならだけが人生だ” ー 『勧酒』井伏鱒二 訳


“さよならだけが人生ならば また来る春は何だろう

さよならだけが人生ならば めぐりあう日は何だろう” 寺山修司


どうしても気持ちが不安定になったり、晴れやかな気持ちだけではない旅立ちも多いでしょう。

そんな心に雲がかかるような気持ちをすっきり晴らしたいと願う反面、それこそが人生であり、思い悩む姿も含めてまだあなたを見ていたい、そんな気持ちを桜に例えて祝詞として奏上いたしました。


いよいよ桜が満開となり、彩り深い春を満喫できます。

たまには顔を上げて桜をただ眺めるのも良いのではないでしょうか。

残りわずかですが今月もよろしくお願い致します。


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